ある晴れた朝のこと

先天性の心疾患と内臓奇形をもつ息子のこと

フォンタン術後の縦隔洞炎と骨髄炎

先週の月曜、フォンタン手術、息子の場合は肝静脈と奇静脈の吻合手術が終わった。

手術説明の時に「あまり例がない」と言われた術式だ。直接吻合には距離が遠く、人工血管を使うことになったが、それは更に例が少ないのだと。

年間250例近くの心臓手術をしている、心臓に強いと言われる病院で「例が少ない」と言われるなんてなかなか無い経験をしていると思う。

 

術後の経過については、今までで1番内臓に負荷が掛かる分、時間がかかると言われていた。

肝臓、腸、腎臓が浮腫み、機能を取り戻すまでに長くかかると思うと。

 

実際、術後の経過は今までで1番良くなかった。

熱は36度から38度を行ったり来たりして、術後2日目に抜管したのに、術後4日目あたりから痰が増えてきていた。

活気もなくて、全体的にぼーっとしているし、怒って歯ぎしりしているし、笑顔もない。

常にお腹が張っている。ごはんもハイハインとヨーグルト以外口を閉じて断固拒否するし、ミルクすら飲みたがらない。

月曜日に手術したあと、抜管してから週末までほとんど熟睡できず、逆に土曜日はほとんどの面会時間を寝て過ごした。

 

そんな状態でも、少しずつドレーンも抜けたし、点滴も抜け、導尿も抜け、土曜日には点滴の入っていない手足は抑制が取れていたので、回復してるんだと喜んでいた。

 

ところが日曜日、肺炎になった。朝の時点で炎症の数値が17。ついでに足の点滴が潰れた。

でも息子は久しぶりにフリーになった右足を振り回していて、私たち夫婦も久しぶりにしっかり動く息子の足を見た。なんだ、元気そうでよかったと思っていた。

 

そして。

 

夕方16時ごろだったろうか、息子の着ていた服の脇あたりが血で濡れていた。

今日抜いたドレーンからかと思っていたら、切開したところから垂れていると分かり、先生と看護師さんが騒然となった。

血だけでなくドロっとしたものが出ており、膿も混じっている。

ただの出血ではないと当番の心臓血管外科の若手先生(前回手術の主治医、イケメン)が呼び出され(日曜日だというのに病院にいた)、最終ミルクから6時間空いた19:30を待ってCTを撮ることになった。

 

CTが終わるのを待つ間に、執刀医の偉い先生も呼び出されていた…日曜日の夜、多大なご迷惑をおかけしました…。

 

 

 

CTの結果は、皮膚から骨を固定しているワイヤーのそば、つまり骨のあたりまで何かの菌に感染している可能性が高く、その下は開けてみないと分からない。

その感染箇所を1度手術をして全て削ぎ落とし、洗って消毒して帰ってくるとのことだった。

骨まで行っていたら、徹底的に菌を殺すため、抗菌薬を定期的に2ヶ月流し込まないといけない。その間ずっと入院。

そして、心臓や人工血管まで感染していた場合、明日以降緊急で人工血管の取り替え手術をすると。

 

 

聞いていてくらくらしてきた。

 

 

そして20:30に説明を受け、21時には出発、戻ってきたのは0時くらい。

無事に全てが終わって、侵襲範囲は皮膚から骨まで。胸骨の下に敷いてある筋膜シートより下はセーフだったって。

 

ああよかった。再手術じゃなくて。

でもクリスマスと年越しは病院で迎えることが確定した。

 

ちなみにこの話を聞いているあいだ、

クリスマスプレゼントいつあげよう、私の誕生日(1月)は家で過ごせるかな…たしか今年はカテの入院日で、夫からはすっかり忘れられてたな…しかし疲れてるイケメン(元主治医)って良いもんだな…と、疲労のあまり思考はたいへんぶっ飛んでいた。

そして急遽借りた病院の宿泊施設で私は倒れるように寝た。夫はちゃんとシャワー浴びて歯磨きしたらしい。偉い。

 

ちなみに元主治医は1時頃自宅へ帰っていった……おつかれさまでした………

 

 

 

息子は一日半呼吸器で過ごし、今日の夕方2度目の抜管を果たした。顔のマスクも、今晩か明日の午前中には取れそうと聞いて、少し安心している。

このまま良くなりますように。

 

肘の内側から入って鎖骨あたりまで続く点滴をしばらく入れっぱなしにして、抗菌剤はそこから入れるらしい。

あの、これって万歳とかずり這いとかよじ登ったりとかしても大丈夫なアレですかね。と、怖くてなかなか聞けずにいる。